留学時間2021 年 8 月 ~ 現在留学中
留学都市ミネソタ州フェアリボー
高校留学先Shattuck St Mary’s School
大学進学先Lawrence University

私が通ったShattuck-St.Mary’s School(以下SSM)は、ミネソタ州の州都ミネアポリスから車で40分ほどのファリボーと言う静かな町にあります。冬には気温が-20℃まで下がり、池に張った氷の上でスケートができるほどの寒さです。比較的小さなプライベートスクールで、中学生と高校生を合わせて400人くらいです。
生徒のほとんどはCOE(Center of excellence)と呼ぶ運動部や学問の専攻に属しています。運動部ではアイスホッケー、フィギアスケート、ゴルフ、サッカー部、学問の専攻では、エンジニアリング、バイオサイエンス、メジャーがあります。生徒は皆それぞれ一般的な学習以外にも運動もしくは学問で上記のようなSpecificな目的を持って来ています。

COEでは私はアイスホッケー部に所属していました。SSMのアイスホッケー部はアメリカのトップ選手たちが集まる強豪校です。留学生には各国A代表の選手も複数います。コーチには元五輪選手、元五輪監督もいます。ここで私はNational Championship, High school girls部門での優勝を経験しました。
平日は毎日氷上練習、週末は試合です。チーム練習のほかにも任意参加で、スキルズと呼ぶ男女混合でスキル向上には育むセッションやパワースケーティングと呼ぶスケーティング練習もあります。外にもシュート練習場があり、いつでも利用できます。筋力強化では、チーム筋トレが週2回あり、その他の日も各自自由にジムを利用可能です。専門の筋トレコーチがメニューを出してくれて、効果的に鍛えることができます。
試合はミネソタ州周辺のチームとの対戦のみならず、ボストンやワシントンなどへ遠征に行ったり、カナダの高校が遠征に来たりします。SSMのようなTier1のチームの試合は全て録画され、専門サイトで公開されるので、自分のプレーの振り返りができて、とても成長しやすい環境になっています。シーズン50試合以上あり、アメリカ1位を決める3月のNational Championshipが最後の大会となります。それが終わると、春のオフシーズンは、翌シーズンに備えて、筋トレをより強化したプログラムになります。
運動施設は高校校舎から歩いて数分のところにあり、スポーツコンプレックスと呼んでいます。そこに、ホッケー・フィギア用のアイスリンクが3つ、他にサッカー場、バスケットコート、トラック(室内&グラウンド)、ジム、トレーナー室などが集合しており、抜群の環境です。

SSMの授業形態は日本の高校とは随分異なります。
授業は5人から15人程度の少人数で行い、一人一人が先生と会話しやすい環境になっています。先生は全員Supportiveで優しく教えてくれます。
時間割は、各運動部の都合に合わせて組み立てられることや、中学からのSSM生と高校から編入してきた生徒では取得済みの単位も異なることなどから、同じ学年でも時間割は生徒それぞれ異なります。1日9時限あるうち、授業を受けられるのは6時限までです。学校内の至るところにテーブルが設置されていて、空き時間はそこで友達と一緒に勉強できます。私はこの環境が大好きでした。授業の後すぐに、分からなかったところを友達と教え合い、その日のうちに解決するなど、効率的に時間を使うことができました。
履修システムの一つの特徴として、それぞれの教科での必須単位を取り終えたら、他に自分の興味のある授業を受けることができます。私は高2までに社会の必須単位を全て取ったので、高3では社会の授業を受けずに得意な理科を追加し、大学レベルの生物の授業を受けました。このように進度に応じて、履修内容をカスタマイズできます。
また、大学レベルの授業(AP)を中心にブレンデッドクラスという方式もあり、1週間に3回の授業で講義があり、残り2回の授業は先生に個別に質問する時間になっています。私は高3で大学レベルの数学(AP)を受けました。非常に難易度が高く、地獄を見ました(笑)。しかし、先生が一つ一つの考え方を丁寧に教えてくれたおかげで、何とかやりきることができました。考え抜く力が付き、数学のみならず困難な課題に対する解決能力がついたように感じています。大学進学に向けて、自信をつけさせてくれました。
そして、高3では卒業スピーチを全校生徒と先生の前で行います。毎週3,4人ずつ行います。人生で学んだこと、全校生徒へのアドバイスを含めてスピーチします。終了後には聴講してた生徒達がステージに上がってハグをして祝福してくれます。自分の高校生活を振り返る良い機会となり、大学へ向けて良い心の準備になりました。

留学生向けにはESL授業もあります。クラスはレベル分けされていて、入学後のテストで決まります。先生は一人一人のペースに合わせて優しく教えてくれます。校外学習としてミネアポリスの歴史的建造物を見学するツアーも企画してくれました。
その他、生徒一人一人にアドバイザーが付き、毎週コミュニケションを取ります。勉強、部活から私生活のことまで何でも親身に相談に乗ってくれます。運動部のコーチが私のアドバイザーだったときは、メンタルコーチを紹介してくれて、部活でのスランプを脱出、なんてこともありました。

SSMの生徒の90%は寮に住んでいます。
女子寮は高校校舎から10分ほど歩いたところと、校舎のすぐ横の2か所にあります。昔はShattuckとSt.Mary’sは別々の学校でした。旧St.Mary’s校の校舎が現在の中学の校舎と高2までの女子寮になっています。男子寮と高3の女子寮は高校校舎のすぐ横にあります。寮は多くの場合、同学年の生徒と相部屋になります。自分の部屋以外にもCommon roomもあり、また廊下にもテーブルが設置してありますので、そこで勉強することもでき、寮生の交流の場にもなっています。

周辺環境としては、買い物にも不便はなく、程よく息抜きもできます。
学校近くの小さなダウンタウンにおいしいレストランがいくつかあり、よくチームメートや友達と食べに行きました。また、学校からWALMART行きのバスが出ていて、買い物にとても便利です。アメリカで1番大きなモール、ミネアポリスの「モールオブアメリカ」にも月1回ほどバスが出ます。他にも博物館、アジアのお店・料理店、プロスポーツ観戦など、テーマ別にバスが出ており、いろんなActivityを楽しめるように配慮されています。

私は高校から留学できたことを本当に良かったと思っています。
SSMは勉強面、スポーツ面ともに一人一人の能力を引き出してくれる最高のプログラムです。また、親元を離れて全て自分で責任を持たなければいけない環境の中に身を置き、都会の誘惑から離れた静かな田舎町で、貴重な高校3年間を勉強とホッケーに集中して過ごせたことは、私を大きく成長させてくれました。学校、先生、コーチ、友達、みんなに感謝です!!